エンパワーメント株式会社の外山です。
皆さんは身体が痛い時に湿布薬を貼るのに、温湿布と冷湿布どっちの方が良いんだろうか。。。と悩んだことはありませんか?
本日は温湿布と冷湿布の違いについてお話ししていきます。
温湿布と冷湿布何が違うのか
腰痛、肩こり、膝痛、打撲など痛みを伴うお身体の異常に誰しも一度は湿布を使ったことがあるのではないのでしょうか。
今や薬局では湿布だけで一つのコーナーが作られてる事も少なくありません。
それほど需要が高く種類も多いものですが、その中でも多くの方の疑問になっているのが温湿布と冷湿布の違いです。
結論からいうと実はどちらとも効果としての違いはほとんどないのです。
こちらを見て下さい
温湿布
●成分・分量
膏体100g(1000cm2)中
〔有効成分〕 サリチル酸グリコール
〔分 量〕 2.0g
〔はたらき〕 炎症、痛みをおさえます。
〔有効成分〕 グリチルレチン酸
〔分 量〕 0.05g
〔はたらき〕 炎症をおさえます。
〔有効成分〕 トウガラシエキス(原生薬換算量1.0g)
〔分 量〕 0.02g
〔有効成分〕 トコフェロール酢酸エステル
〔分 量〕 0.3g
〔はたらき〕 血流を改善します。
冷湿布
●成分・分量
膏体100g(1000cm2)中
〔有効成分〕 サリチル酸グリコール
〔分 量〕 2.0g
〔はたらき〕 炎症、痛みをおさえます。
〔有効成分〕 グリチルレチン酸
〔分 量〕 0.05g
〔はたらき〕 炎症をおさえます。
〔有効成分〕 l-メントール
〔分 量〕 1.0g
〔有効成分〕 トコフェロール酢酸エステル
〔分 量〕 0.3g
〔はたらき〕 血流を改善します。
ご覧頂いたのは某医薬品メーカーの温湿布と冷湿布の成分表です。
ぱっと見ただけではほとんど違いがないように見えますが、一つ違いがあるのは温湿布の成分にはトウガラシエキスという皮膚に刺激を与え温かく感じさせる成分が、冷湿布にはメントールという清涼感を感じさせる成分が入っています。
これらは実際に血流を促したり炎症を止めるという効果はありません。
つまり温湿布と冷湿布の大きな違いは貼った時の感覚の違いにあります。
温湿布と冷湿布どっちが効くの?
前述に記したように温湿布と冷湿布には貼った時の感覚の違いしかない為、効果の差はほとんどありません。
湿布を選ぶ時に大事なのは「痛み止め成分」でサリチル酸メチル(サリチル酸グリコール)などのエステル、インドメタシン、フェルビナク、ケトプロフェンなどがあります。
ロキソプロフェン
↓
ジクロフェナク
↓
フェルビナク
↓
インドメタシン
↓
サリチル酸メチル
上から順番に消炎鎮痛成分が強いものになります。
鎮痛成分が強いものは副作用などのデメリットも多くありますので、お求めの際は薬局の登録販売者さん薬剤師さんに相談されるのをお勧めします。
湿布の正しい使い方は?
貼るタイミング
湿布薬は貼った部位の表皮から、皮下組織に薬剤が浸透して痛みをとります。
貼るタイミングとしては、血液の循環が良くなるお風呂上がりに貼るのがおすすめです。
剥がすタイミング
湿布薬に含まれている薬剤は、貼ってから約4時間ほどで血中に行き渡り、その後はゆるやかに効果が薄れていきます。
剥がすタイミングとしては、貼ってから5時間後くらいがちょうど良いでしょう。
不快な痛みがある時などは湿布剤で痛みを一時的に緩和させるのも悪くありません。
ただ、あくまで湿布剤の効果は一時的なものです。貼り続けると皮膚症状が出現したり症状の進行に気づかないこともありますので取り扱いには充分気をつけて下さい。
まとめ
温湿布と冷湿布にはほとんど違いがありません。
唯一の違いは温湿布にはトウガラシエキス等の皮膚刺激を与え温かく感じさせる成分が、冷湿布にはメントールなどの爽快感を感じさせる成分が入ってる事です。
湿布は冷やすもの、温めるものではありませんので、トリガーポイント(痛みや痺れの引き金となる筋肉の硬さ)が原因の場合は根本を改善させる効果はありませんのでご注意下さい。
湿布の効果を左右するのは消炎鎮痛成分で、その成分が強いもの程副作用も出やすいため気をつけなければならないのと、効果は一時的なので使用に依存せず持続する症状は専門機関で治療を行って下さい。

外山 潤

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